国内活動

マスカット基金はこれまでに、以下のような国内活動に取り組んできました。

高鍋町ホタル育成活動

特定非営利活動法人環境保全再生フォーラムは、宮崎県高鍋町にて舞鶴城及び町内南部を流れる宮田川周辺を中心にホタルが生息できる環境を再生するため、ホタルの生息に必要な環境美化事業を行い、併せて高鍋町の歴史的遺産保護を行うことを目的に活動を行っている。マスカット基金は同フォーラムが実施する「高鍋町ホタル育成活動」を支援するために、活動資金の一部を提供することとした。ただし、単なる資金提供ではなく、共同作業を通して経験を共有したいと考え、関係者が参加できるように活動計画を共有し、共同作業の機会を模索することとした。さらに、フォーラムが推進する地域交流や情報交換のための事業についても出来る範囲内で協力することとし、他の公的な助成金を得るための支援も検討している。2019年に支援を開始して以降、定期的に進捗報告書が作成されており、主な内容は以下の写真に示す通り。 

参考資料:特定非営利活動法人環境保全再生フォーラムのホームページ

除草作業

水位計測

水質調査

技術講習

上陸装置

孵化装置

飼育水槽

放流作業

岡山県牛窓の有機農業

瀬戸内海小豆島をすぐ目の前にする岡山県牛窓町。ここに食糧自給と食の安全を目指し、有機栽培農家として頑張っている仲間がいた。牛窓には食の安心・安全を真剣に考える有機農業者が就農しており、自然食がらみの活動を連合体として実践する組織もあり、且つそうした活動を強力にバックアップしていこうとする研究者もいた。2008年11月には、「本気で農業を語るシンポジウム」及び「地産地消フォーラム」が牛窓グループや岡山大学の主催で開催された。国際耕種は牛窓グループとの交流やシンポジウムへの参加を通して、「担い手の確保」、「技術の継承」、「土地の保全」が今後の農業を支える要素として重要であることを痛感した。マスカット基金は「農業の未来を拓く会」と共同で牛窓に研修所“Ayn”を設置することを決定した。“Ayn”は、地域農業者の会議や懇談の場、農家研修に参加する人たちのための宿泊施設として活用してもらうとともに、我々の国内活動の拠点としていこうと考えていた。何名かの大学生の農業体験研修の宿泊・講義用に活用されたものの、その後は積極的な活用には至らなかった。しかしながら、こうした基地を現場に設けて農業の実態に接触すると共に、我々自身の研修、農家との交流、そして日本農業が抱えている課題を考える場として継続的に利用することの重要性は強く感じることが出来た。

参考資料1:AAIニュース第63号: 日本農業の今と国際耕種の関わり方(3)
参考資料2:AAIニュース第63号: 社友の活動を訪ねて(2)
参考資料3:AAIニュース第71号: 岡山・牛窓での農業者支援活動開始 

牛窓町の景観

有機栽培圃場

出荷作業

懇談会

シンポジウム1

シンポジウム2

フォーラム

研修所「Ayn」

茨城県里美の有機農業

 

茨城の中でも中山間地に位置する常陸太田市里美地区で、我々の仲間が有機農業を行っていた。彼の周囲には有機栽培農家のグループがあり、そのグループと意見交換を行う交流会の機会を得た。交流会場は空き家になった古民家である。ここは地域のNPOが管理しており、そば打ち、コンサートなどを通して都会と地域の人との交流の場としても利用されていた。広間で、土間で、いろりの前で和やかな交流会を行うことができた。交流会では、国際耕種のこれまでの活動を紹介すると共に、地域での農業を行う上での様々な問題や課題について話し合うことが出来た。農協や行政側の参加者からは最近の耕作地の放棄が大きな問題として紹介された。これらの農地の農家への紹介、耕作者への支援などを行っているが、農地の非耕作化に歯止めがかかる状況には至っていない。また、農家支援のための活動としてマーケティングへの支援や販路充実・地産地消への取り組みも報告された。本交流会は、地域の農業振興、環境保全、農畜連携といった分野においてマスカット基金として今後何が出来るかを考える非常に良い機会となった。

参考資料:AAIニュース第62号:社友の活動を訪ねて(1)

里美の景観

有機栽培圃場

懇談会準備

懇談会